オンラインカジノの違法性と合法性について。

この記事でわかること
・オンラインカジノの運営会社は合法に経営されている
・だけど日本で遊ぶ分にはグレーゾーン
・逮捕事例もあるが無罪を勝ち取った

まずはじめに、運営会社自体はカジノが合法な国で運営されているので問題なく合法に経営されています。
でも僕らが気にするべきは、海外で合法に運営されているオンラインカジノを日本でプレイするのに問題がないかという話ですよね。

ということで今回はそのあたりのことを運営会社の規約をはじめ、国内法やそれを適用した事例をもとに解説していきます!

運営会社の規約(Casumoの場合)

まず、運営会社の利用規約では問題がないのか見てみましょう。
例えばカスモの場合はこのように書いてあります。

2.3.お客様は、ご自身が満18歳以上であること、またはお客様に適用される法律に従いお客様の居住地域で定められている18歳以上の最低法定年齢に達していることを申告します。オンラインでのギャンブル行為がお客様の居住国で合法か否かを把握するのは、お客様の責務です。 法定年齢に達していないにもかかわらずギャンブルを行うのは犯罪行為です。

2.7. お客様は、本ウェブサイトおよびそこで提供される商品にアクセスし、これを利用する権利が一部の国では違法と見なされる可能性があることを認識します。弊社は、各法域におけるサービスの合法性を検証できません。そのため、お客様は、弊社のウェブサイトへのアクセスおよびその利用がお客様の国の該当法に準拠しているかどうかを判断する責任を負い、ご自身の居住地域でギャンブル行為が違法でないことを弊社に保証します。また、弊社は、特定の法域に滞在している人(一時的な訪問者を含む)や特定の法域の居住者による利用を禁止しています。つまり、登録段階で利用可能なドロップダウンオプションに記載されていない国からのアクセスおよび登録は固く禁じられています。また、お客様が以下に挙げる国や地域にお住まいの場合は、弊社のサービスをご利用になれません。対象となる国と地域は、アフガニスタンオーランド、アルバニア ~中略~ アメリカ合衆国(ならびにその保護領、軍事基地、および準州)です。

出典:カスモ利用規約2. お客様の義務

※中略した中に日本は含まれていませんでした。

要約すると

・今住んでいる国が18歳を超えていると認める年齢ですよね?
・明らかにサービス提供しちゃダメな地域は省いているけど、後は自分で問題がないか判断してね
・上記の判断についてカスモは責任とれないよ

ということですね。

以上の話をまとめると
・オンラインカジノ自体は合法な国で運営されているので問題なし
・ただし、それぞれの国や地域で法的に問題なく遊べるかはプレイヤーの判断におまかせする
こういう話になります。

では日本でオンラインカジノで遊ぶのは違法ではないのかという話ですが……。

正直わかりません!

実は現状では違法と断言することも、合法と断言することもできないというのが日本のオンラインカジノの実情なんです。

は?どういうこと?結局日本で遊んで大丈夫なの?

そう思うと思います。
では次の話に参りましょう。

日本にはオンラインカジノに関する法律がない

どういうことかというと、現状日本にはオンラインカジノを規制する法律が存在していません。

なら合法じゃないのか。問題なく遊べるんじゃないのか。
そう思うと思いますが、もっというと

日本にオンラインカジノに関連する法律自体存在していないんです。

つまり、国からは遊んでいいとも遊んじゃダメとも言われていないんですよね。
いわゆる「グレーゾーン」というやつです。

ルール自体がないなら問題ないんじゃない?
そう思う部分もあります。というか私も思いました。

しかしここで問題となるのはなので「賭博罪」にあたるかどうかです。
この部分は現在法律の専門家でも意見が分かれています。

なので法律の素人である私が
「オンラインカジノの法律自体ないので、法律には反しません。じゃんじゃん遊びましょう!」
とは言えないんですね。

では続いて賭博罪と日本で遊べる店舗型のギャンブルの例を見てみましょう。

賭博罪とギャンブル

■賭博罪について
(賭博)
第185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

(富くじ発売等)
第187条
1 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

出典:刑法 2編23章 賭博及び富くじに関する罪

185条の「一時の娯楽に供するもの」というのはパチンコ屋の中にある景品類を思い浮かべるのが間違いないでしょう。
例えばタバコやお菓子類とか電化製品があったりしますね。

そしてパチンコでなぜお金を得られるかというと、パチンコ屋の中で引き換えられるのは
「一時の娯楽に供するもの」
ということでお菓子やタバコなんかに引き換えられますが、お店の中でお金に引き換えることは違法行為となります。

ではどうやってパチンコ、スロットの勝利をお金に変えるのかですが、
パチンコ、スロットで勝ったときに交換できる景品の中に「特別景品」というものがあります。

特別景品の種類はお店によって異なりますが、パチンコ屋のすぐ近くに「何故か」この特別景品を買い取ってくれる買取所が存在します。
そこで特別景品を買い取ってもらうことでプレイヤーはパチンコの勝利をお金に変えることができるようになるわけです。

そうすればパチンコ屋はあくまで景品を渡しているのであって、
遊技の結果お金を渡しているわけではないという理屈ができ、結果として賭博罪には当たらないとされているわけです。

これがいわゆる三店方式と呼ばれるやり方です。

では今度はオンラインカジノにおける逮捕事例を見てみましょう。

日本におけるオンラインカジノの逮捕事例2件

ここからは日本でオンラインカジノの運営会社とオンラインカジノのプレイヤーが逮捕された事例を見てみましょう。

先に言っておくと、運営は逮捕され有罪になりましたが、プレイヤーは無罪を勝ち取っています。

日本でオンラインカジノ運営が逮捕された「ドリームカジノ事件」

胴元側の話ですが、オンラインカジノを運営していた日本人経営者が逮捕されたという事例があります。
2016年にドリームカジノというオンラインカジノを運営していた運営者5人が逮捕されるという事件が起こりました。
その時の警察の逮捕基準ニュースサイトにも載っています。

 ドリームカジノは、カジノが合法なオランダ領キュラソー島で営業許可を受けているとサイト上に記載していたが、サポートは日本語のみで行われていたことなどから、府警は国内で運営されていると判断した。

出典:産経WEST オンラインカジノ運営業者を逮捕 全国初…国内運営と判断

上のニュースのように、合法な国で営業許可をとっていても、さらにおそらくサーバーがその国にあったとしても、
日本人のみに向けたサービスだったという点で違法判定を食らい逮捕に至ったようですね。

ちなみにこのドリームカジノ事件の逮捕については、賭博罪ではなく、賭博場開張図利罪での逮捕です。

では今度はプレイヤー側の逮捕事例を確認しましょう。

今度はプレイヤーとしての逮捕ですので、罪状は賭博罪となります。

日本でオンラインカジノプレイヤーが逮捕された「スマートライブカジノ事件」

以前、2016年に「スマートライブカジノ」というオンラインカジノをプレイしたプレイヤー3人が逮捕される事件がありました。

この事件では一般的に知られている要件は2件あります。

・スマートライブカジノは英国にサーバーがある
・プレイヤーは日本国内でプレイ

逮捕された3人中2人は略式起訴※の打診を受け入れました。

※略式起訴:悪質ではない、ある意味で些細な事件を簡単な手続きで迅速に処理すること
メリット
・拘留されていれば早めに身柄を解放できる
・被告人の負担を軽くできる
つまり2人はこのメリットをとって速やかに自分の身に起こったことを処理したということですね。

そして残りの1人は略式起訴の打診を断り、争うことにしました。

そのときの弁護士は津田尾岳宏(つだ たかひろ)先生です。

詳細は津田先生がブログで紹介しているのでそちらを見るとわかりやすいでしょう。
https://ameblo.jp/gamblelaw/entry-12235518621.html

記事の中で一番私が目を引かれたのは

本件の特徴は,当該賭博行為につき,海外で合法的なライセンスを得ている一方当事者である胴元を処罰することはできないところ,他方当事者であるユーザーを処罰しようとする点にある。

参考:麻雀プロ弁護士津田岳宏のブログより 「不起訴の勝ち取りーオンラインカジノプレイヤーの件」
という部分です。

確かに、胴元は海外で合法に運営されているので処罰できない。
でも日本国内で遊んだという一点でユーザーだけが処罰されるのは不当に感じますよね。

判断基準はこれだけではないようですが、日本においてオンラインプレイヤーが無罪になった、いい判例ができました。

こうした判例もありますので、日本におけるオンラインカジノは白とは言えませんが、限りなく白に近いグレーだと私は解釈してプレイすることにしました。

今回の記事が参考になれば嬉しいです!